犬が散歩で引っ張る・歩かない原因
犬の散歩のしつけにおける問題は大きく二つに分けられます。
「犬がグイグイ引っ張って困る」という悩みと、逆に「犬が止まって動かない」という問題です。
(他人や犬に会うと吠えるという悩みは、別ページでしつけ方法を解説しています
→吠える・無駄吠えのしつけ)
その二つの原因は、いずれも根っこが「主従関係が正しく作れていない」ということに深く関わっています。
つまり、主従関係がないので犬のワガママがそのまま出ている・・という状況です。もちろん、犬が外の世界を怖がって歩けない・・ということもありますので、まずはそこから解説しておきます。
子犬は室内で散歩の練習をし外では慣れを目標に
まず子犬が家に来たら、最初の一週間は落ち着かせるためと甘やかしの癖を付けさせないために基本は子犬をかまいません。
しかし、2週間もしたら子犬をもう外に連れ出しましょう。最後のワクチン接種がまだだったとしてもです。
もちろん他人や動物に触れないことと、電柱や壁などの臭いを嗅がせないこと、草むらに入れさせないことは鉄則です。
そして、まだ子犬は上手くリードを付けて歩けませんので、安全性を考慮してバッグなどに子犬を入れて、清潔で安全な場所まで運んであげてください。
ちょっとしたエコバッグのような物でも何でも良いですし、古タオルや古着で作っても良いです。とにかく子犬を抱っこしないで安全に運べれば良いです。
抱っこして人間の体の上に犬を乗せると、犬が関係を誤解しやすくなります。ついついナデナデ赤ちゃん扱いもしたくなります。そうならないように、また安全性も考えて、バッグなどに入れたほうが良いのです。
子犬の頭をピョッコリと出させて、外の世界をじっくり観察させてください。
安全な場所に着いたら、犬にリードを付けて地面に降ろし、その周辺でマッタリ過ごしてください。色んな物や人・動物の姿を見て慣れるように、できるだけ毎日時間を作ってあげてください。
犬のしつけは単なる調教ではなく慣れや順化が大切
そして同時に、犬と飼い主さんが一緒に歩く練習もしておかないといけません。いきなり外をスタスタ散歩するのは無理ですので、まずは興奮の要素が少ない室内で少しずつ始めます。
子犬が家に来て2週間もしたら、首輪は付けましょう。
犬をケージから出して遊んだり団らんする機会もあるわけですが、そこで意味なく過ごすのではなく、犬にリードを付けてあなたが持っていてほしいのです。
犬にリードを付けて人間と一定の距離で一緒に居ることに慣れる必要があります。
また、マッタリするだけでなく、その状態でボール遊びなんかもしても良いですね。そして時々、リードを持った状態で少し歩いてみてください。遊びながらで良いです。
そうやって、少しずつ少しずつリードに慣れることと、人間と歩くことに慣れる練習をするのです。
成犬や子犬の体がしっかりしてきたらリーダーウォーク
そんなことをしていきながら、子犬が生後4か月近くなってきたら、あるいはあなたがすでに成犬を飼っているのなら、リーダーウォークを始めましょう。
リーダーウォークとはその名の通り、「飼い主さんが主導で歩く」という行為です。
犬には一切目もくれず、自分のペースで淡々と歩き、勝手に止まり、勝手に曲がり、勝手にUターンするわけです。
リーダーウォークで重要なことは、表面的な調教は気にしないことです。ひたすら自分のリーダーシップを犬に見せつけることなのです。
テクニックよりも態度・・あなたの意識が重要なのです。
犬はあなたの態度を、犬の本能で敏感に感じ取るのです。それを強く強く意識してください。それがないまま、ただプロトレーナーのDVD教材のようにスマートに歩こうとしても、何も意味はありません。
リーダーウォークは、犬の散歩のしつけの為の手法ではなく、あなたと犬の主従関係を作るための「精神戦」なのです。
ただし、あせってはいけません。早く結果を出したいために急に無理をする飼い主さんがいますが、ゆっくり進めてください。
先ほどお話したように、最初は、犬にリードを付けてあなたが持ってボール遊び・・その中で時々歩いてみる・・というところから慣らしながら、ちょっとずつリーダーウォークの意識を高めていけば良いのです。
そして、リーダーウォークだけではありません。普段の生活の中で、犬はあなたの態度を常に見て感じていますよ・・犬の本能で・・
犬があなたのことを認めたなら、あなたが行く所はどこでも良い子で付いていきますよ。つまり、散歩で引っ張ったり、止まって動かなくなったりなどしないのです。
それを理解せず、やれ「チョークチェーンだ・・オヤツだ・・」で調教しようとしても、犬のしつけは上手くいかないものなのです・・