犬のしつけを始めるための意識設定ができていますか?
あなたは今、犬のしつけですごくあせっているはずです。家に犬がきてしばらく経っても、なついてくれるどころか噛み付くわ吠えるわクンクン鳴き続けるわで、もうヘトヘト・イライラで心が折れそうだと思います。
しかし、あなたが重要な意識設定ができていないまま、犬のしつけを続けようとしても、よけいに犬との関係が悪くなってしまいます。特に子犬ですと、いくら飼い主さんが頑張っても結果がすぐには出ないのです。
頑張れば頑張るほど、ドツボにはまります(^_^;)
犬があなたの言うことを聞かないのは、それなりの理由があるからです。
まずは興奮です。犬は環境の変化によって強く興奮する動物です。人間もそうだと言えばそうです。はじめての場所、初めての人に会えば、緊張や興奮をして落ち着かなくなります。
そこでさらにベタベタ触られてかまわれるので、興奮があおられます。
そして、そうやって犬をチヤホヤしていくうちに、犬の中でそれが当たり前の基準になり習慣になっていきます。その癖が付いたら、もう犬は止まりません。クンクン鳴き続け、エスカレートしてワン!・・ワンワンワン!
「もういいかげんに静かにして!・・」
あんなに可愛かった犬が、可愛く見えなくなってしまいます・・
でも、犬のしつけを怠り、犬にそうさせてしまったのは飼い主さんである、あなたなのです・・
売られる子犬はしつけを受けてこなかった社会化不足

子犬はたいてい、生後40日から50日で親犬や兄弟犬から引き離されてしまいます。健康面でそれなりに安定したら、早く売ってしまったほうが繁殖業者は利益になるからです。
エサ代やトイレシーツは少なくて済むし、親犬には次の子犬を早く産ませることができるからです。
親兄弟から引き離された子犬は、中継業者に引き取られ、各ペットショップから注文が入るまで、しばらく待機することになります。
へたをすると、そこで何週間も孤独に過ごします。
そして、ペットショップのショーウィンドウに閉じ込められ、誰かが買ってくれるまでまた緊張と孤独のなか、過ごします。
子犬の生後40日から50日というのは、やっと親犬によるしつけが始まる頃なのです。
身体がしっかりしてきた子犬は、ジタバタ遊んだり、親犬をガブガブ噛んできます。子犬の乳歯は細長くてトンガっていますし、噛む加減も知りませんから、とにかく噛まれたら痛いです。
親犬は噛んで返したり、あお向けにしたり、唸って子犬を叱ります。
それが自然に犬のしつけになっていて、繰り返していくうちに子犬の知能も高くなっていくので、少しずつ社会化を果たしていくことができます。
しかし、それを身につけるはるか前に引き離されて売られてしまうために、あなたの元に来た子犬は何も学んでいない単なる猛獣のような状態で来るわけです・・
しつけグッズやオヤツでは本当の関係作りはできない
そんな状況で人間家族のもとに来た子犬に、犬のしつけと称してアレコレ教えてもできるわけがないのです。しかもチヤホヤして悪い癖がついたのに、急に今度は怒って「ダメ!」と言ったって、犬には意味が分からないのです。
数か月間は、あなたが親犬になったつもりでしつけを続ける必要があります。

それらを理解できていないと・・意識設定ができていないと、ついつい簡単で早く結果が出そうなしつけ手法に走ってしまいがちです。
やれ「テレビチャンピオンだ・・カリスマトレーナーだ」と言って、DVDや著書を買いあさる飼い主さんがいますが、プロ達のテクニックは「誰のためのテクニックか」ということを考えてみてください。
彼らは「犬を早く調教して飼い主からお金をもらう商売」が目的だからです。
その犬の本当の飼い主であるあなたとは、精神的背景がまったく違うのです。長年の経験と商売のための意識設定だからこそ、ガツガツ冷淡に調教ができるのです。
あなたが同じ手法でやり続けられますか? できないのです・・

そして、それは表面上の調教でしかないので、犬との本当の関係作りはできないのです。
オヤツで釣れば犬は動きます。チョークチェーンでガツガツ絞めつければ犬は嫌なのでそれなりに行動します。しかし、そうしてしまうことで、「犬とあなたの本当の関係がどれだけ作れているのかが分からなくなってしまう」のです。
それに気付けない事が最も恐ろしい事なのです。後で悔やむことになります。
そのまま成長期を過ごし、成犬になってしまう・・
「普段は良い子なのに突然豹変する・・」
犬と人間が本当の関係作りをしていないからです。
だから、あせって手っ取り早い犬のしつけ手法を使ってはいけないのです。
プロトレーナーの商売のための手法を使ってはいけないのです・・
